歯の矯正期間はどれくらい?保定を含めた総期間の目安を紹介
「歯の矯正って、何年くらいかかるの?」
「装置が外れたら、もう終わりだと思っていい?」
「マウスピース矯正なら、早く終わるのかな」
このような疑問はありませんか?
歯の矯正期間は、歯を動かす期間と、動かした歯を安定させる保定期間の2段階で考える必要があります。全体矯正の場合、歯を動かす期間は2〜3年前後で、保定を含めた総期間は4〜5年前後がひとつの目安です。
そこで本記事では、治療法別の期間や長引く原因、延ばさないために患者さんができること、始める前に確認しておきたい点を解説します。
歯の矯正期間は動かす期間と保定期間の2段階で考える

矯正治療は、装置を外した日がゴールではありません。歯を動かす期間に、その位置へ歯を落ち着かせる期間を足して、はじめて本当の治療期間になります。まずはそれぞれの長さを確認していきましょう。
歯を動かす期間(動的治療)は全体矯正で2〜3年前後
装置の力で歯を少しずつ動かしていく期間を、「動的治療」と呼びます。全体矯正の場合、2〜3年前後が目安です。
歯が動く速さには限界があります。歯は、周りの骨が少しずつ作り替えられることで移動していくため、強い力をかけたからといって早く終わるわけではありません。上下すべての歯を並べ、かみ合わせまで整えるとなると、年単位の時間がかかります。
また、抜歯をするかどうかでも変わります。抜いたすき間に歯を寄せる工程が加わるぶん、抜歯をしないケースより長くかかるのが一般的です。
参考として、当院の症例集に掲載している52症例では、歯を動かす期間の平均は約1年10か月、通院回数の平均は約15回でした。抜歯をした症例(37例)では期間の平均が約2年1か月でした。抜歯をしなかった症例(15例)では約1年1か月で、抜歯の有無によっておよそ1年の差が出ています。
ただし、これは掲載症例の実績であり、実際の期間は歯並びの状態や治療内容によって個人差があります。各症例の詳細は、当院の症例集でご覧いただけます。
なお、マウスピース矯正もワイヤー矯正とほぼ同じ期間と考えてよいでしょう。前歯のすき間や軽いでこぼこなど、気になる部分だけを動かす部分矯正は、動かす歯の本数や距離が少ないため、期間は半年〜1年程度が目安になります。
保定期間は一般的に2年程度
歯を動かし終えたら、次は保定期間に入ります。保定とは、リテーナー(保定装置)を使って、動かした歯を新しい位置に落ち着かせることです。
装置を外した直後の歯は、周りの骨や歯ぐきがまだ新しい位置になじんでおらず、元の場所へ戻ろうとします。いわゆる「後戻り」です。これを防ぐ役目を担うのが、リテーナーです。
保定期間は、一般的に2年程度が目安とされています。取り外し式のリテーナーであれば、最初の1年ほどは食事と歯磨き以外はできるだけつけ、その後は歯並びの安定に合わせて装着時間を減らしていくことが多いです。
保定を含めた総期間は4〜5年前後が目安
2つの期間を足すと、全体矯正の総期間は4〜5年前後が目安です。
「4〜5年」と聞くと、長く感じるかもしれません。しかし、取り外し式のリテーナーであれば、最初の1年ほどは食事と歯磨き以外はできるだけつけ、その後は歯並びの安定に合わせて装着時間を減らしていくことが多いです。
当院では保定期間の終了期間を設けていません
一般的には2年程度とされる保定期間ですが、当院ではあえて終了時期を設けていません。保定期間が過ぎた後も、リテーナーの使用と定期的なチェックを続けていただくことをおすすめしています。理由は2つあります。
ひとつは、後戻りを最大限防ぐためです。後戻りは、保定期間が終わった後に起こることもあります。時間をかけて整えた歯並びを、治療を終えた状態から1ミリたりとも動かさないことを目指しています。
もうひとつは、加齢による歯並びの変化を防ぐためです。歯並びは、矯正治療をしていない人でも年齢とともに少しずつ変化していきます。リテーナーを使い続けることで、こうした変化による歯並びの乱れも抑えられます。
とはいえ、これはあくまで理想的な形です。進学や就職、出産など、毎日の装着が難しい時期もあるでしょう。装着の頻度や時間は、歯並びの安定具合や患者さんのライフスタイルに合わせて柔軟に調整していきますので、ご安心ください。
なお、保定中の通院は6か月に1回です。この通院に費用はかかりません。
矯正期間が長引く原因

同じ全体矯正でも、目安より早く終わる人もいれば、長くかかる人もいます。期間を左右する要因は、大きく分けて2つです。ひとつは歯並びそのものによるもの、もうひとつは治療中の過ごし方によるものです。
歯並びの状態によるもの
ひとつは、歯やあごの骨の状態です。次のようなケースでは、はじめから長めの期間を見込むことになります。
- 抜歯が必要なケース:抜いた歯のすき間が閉じるまで歯を動かすため、移動する距離が長くなります
- 歯並びの乱れが大きいケース:でこぼこやずれが大きいほど、動かす量が増えます
- 埋まったままの歯があるケース:あごの骨の中に埋まった歯(埋伏歯)を引き出す処置が加わると、そのぶん時間がかかります
これらは、患者さん自身の努力では変えられない要因です。当てはまりそうな場合は、治療を始める前の説明のときに、標準的な期間からどのくらい延びる見込みかを確認しておきましょう。
治療中の過ごし方によるもの
もうひとつが治療中の過ごし方です。次の3つは、いずれも期間を延ばす要因になります。
- 予約どおりに来院しない:装置の調整がそのぶん先送りになります
- 装置(ブラケットやバンド)が外れる:付け直した回数だけ、予定が後ろにずれます
- 歯磨きが不十分な状態が続く:むし歯の治療が必要になると、歯を動かす治療を一度止めることになります
マウスピース矯正の場合は、装着時間の不足も同じです。指示された時間つけていなければ、歯は計画どおりに動きません。
矯正期間を延ばさないために患者さんができること

歯並びそのものは変えられなくても、毎日の行動で期間が延びるのを防ぐことはできます。ここでは、5つのポイントを見ていきましょう。
マウスピースは指示された装着時間を守る
マウスピース矯正では、装着時間を守ることが何よりも大切です。多くの場合、20時間以上つけておくよう指示されます。
外している時間が長いと、歯が計画どおりに動きません。歯の位置が計画からずれると、次のマウスピースが合わなくなります。作り直しが必要になれば、そのぶん予定は後ろにずれてしまいます。
「外すのは食事と歯磨きのときだけ」と決めてしまいましょう。装着時間を守りきる自信がない場合は、自分では外せないワイヤー矯正を選ぶ方法もあります。
顎間ゴムは指示どおりにかける
顎間ゴム(がっかんゴム)を使う治療では、かけている時間の長さが、そのまま治療期間に響きます。
顎間ゴムとは、上の歯と下の歯の装置に小さなゴムをかけ、その引っぱる力で上下のかみ合わせを整えるものです。ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも使われます。
付け外しは患者さん自身が行います。顎間ゴムは、かけている時間しか力は働きません。「今日くらいはいいか」という日が続くと、噛み合わせの改善はその間止まったままになります。
ゴムが切れたときにすぐ替えられるよう、予備を持ち歩いておくと安心です。
予約どおりに通院する
予約した日に通うことは、期間を延ばさないための基本です。
歯を動かす期間の通院は、月1回前後のペースが一般的です。1回の調整で少しずつ歯を動かしていくため、予約を飛ばすと、そのぶん歯を動かせない期間が生まれてしまいます。
キャンセルが重なるほど、治療期間は長くなります。仕事や学校の予定と重なりそうなときは、当日キャンセルにせず、早めに日程を変更しておきましょう。
毎日の歯磨きで虫歯・歯ぐきのトラブルを防ぐ
装置がついている間は、普段以上に丁寧な歯磨きが必要です。
装置のまわりは汚れがたまりやすく、歯磨きが不十分な状態が続くと、むし歯や歯周病が進行する可能性が高まります。むし歯や歯ぐきの炎症が進むと、その治療を優先するために矯正を一時中断することもあります。
ワイヤー矯正なら、装置のすき間に届く歯間ブラシやワンタフトブラシを使いましょう。マウスピース矯正では、マウスピース自体の洗浄も習慣にしてください。
装置が付いている間は、歯磨きの時間を少し長めに取るつもりでいましょう。
装置を壊さない食べ方を心がける
ワイヤー矯正中は、装置が外れやすい食べ方を避けましょう。
なぜなら、硬いものや粘りけのあるものを食べたときに、歯に付けた装置が外れることがあるからです。装置の付け直し回数が多いほど、治療期間は延びてしまう可能性があります。
特に、次のような食べ物は注意が必要です。
- 硬いもの:氷、せんべい、ナッツ類、骨付き肉
- 粘りけのあるもの:キャラメル、ガム、お餅
どうしても食べたいときは、小さく切ってから奥歯でゆっくり噛むと、装置への負担を減らせます。
矯正を始める前に確認しておきたい期間のこと

矯正治療は、保定まで含めると数年単位の付き合いになります。その間、進学や就職、結婚など、生活の変化が起こることもあります。ここでは、相談の場で確認しておきたい3つのポイントを紹介します。
結婚式・転勤などの予定は相談時に伝える
結婚式、就職・転勤、留学、妊娠の希望など、数年以内に予定していることは、相談の段階で伝えておきましょう。たとえば結婚式の日取りが決まっていれば、その時期に目立ちにくい装置を選ぶといった計画も立てやすくなります。
日取りまでに終わらせたい場合は、逆算していつ始める必要があるかも聞いておきましょう。全体矯正は2〜3年前後かかるため、間に合わないこともあります。そのときは、気になる部分だけを先に整える、式の前後だけ装置の見え方に配慮するなど、別の進め方を提案してもらえます。
妊娠を考えている場合は、レントゲン撮影や抜歯の時期を相談しておきましょう。留学や長期の出張で通院できない期間が読めているときも、そのあいだの装置の扱いを決めておく必要があります。
転勤の可能性がある場合は、転医が必要になったときの対応を確認してから治療契約を結びましょう。転居することになっても転医はできますが、できるだけ避けたい選択肢です。医院によって使う装置や治療の進め方は違うため、引き継ぎに時間がかかったり、装置を作り直したりすることもあります。すでに支払った治療費をどう精算するかも、医院ごとに異なります。
転勤の時期がある程度わかっているなら、その前に終えられる治療を選ぶ、赴任先で始めるなど、転医せずに済む進め方も相談してみましょう。
保定まで含めて何年かかるかを相談時に確認する
相談の際は、装置をつけている期間だけでなく、保定期間も含めた総期間の見通しを聞いておきましょう。「装置が2年」と聞いていても、保定まで含めれば4年以上かかることもあります。
あわせて、期間ごとの通院頻度も確認しておくと、生活の予定を立てやすくなります。歯を動かす期間は月1回前後、保定期間は3〜6か月に1回が多いものの、医院や治療内容によって異なります。当院の場合、保定中の通院は6か月に1回です。抜歯をするかどうかでも期間の見通しは変わるため、抜歯の有無もこのタイミングで聞いておくとよいでしょう。
もうひとつ聞いておきたいのが、どのような場合に期間が延びるのかです。埋まっている歯を引き出す処置が加わる、あごの成長を待つ必要があるなど、延びる可能性のある条件は治療計画の段階である程度わかります。
期間が延びたら費用はどうなるかを相談時に確認する
通院のたびに調整料がかかる料金体系では、期間が延びて通院回数が増えるほど総額も増えます。たとえば、調整料は1回5,500円(税込)の場合、通院が6回増えれば、5,500円×6回=33,000円が上乗せされる計算になります。一方、最初に総額を決める料金体系なら、期間が延びても追加費用がかからない場合があります。
契約前に確かめておきたい費用は、次の4つです。
- 保定期間中の通院費用:3〜6か月に1回の経過観察に、そのつど費用がかかるのか(当院では、保定中の通院費用はかかりません)
- リテーナーの作り直し費用:紛失や破損で作り直す場合にいくらかかるのか
- 転医するときの文書作成費用:紹介状と治療継続依頼書にかかる費用
- 期間が延びた場合の追加費用:どこまでが当初の総額に含まれるのか
支払いが年をまたぐ場合は、医療費控除にも関係します。医療費控除は、その年に支払った金額をもとに申告するため、分割で支払うと年ごとにわかれる点を覚えておきましょう。
まとめ
歯の矯正期間は、歯を動かす期間と保定期間を合わせて考えるものです。全体矯正なら、動的治療の2〜3年前後に保定期間の2年程度を足した4〜5年前後が、総期間のひとつの目安になります。
抜歯の有無やもとの歯並びによって、期間が延びることもあります。当院の掲載症例でも、抜歯をした症例は抜歯をしなかった症例より、歯を動かす期間が1年ほど長くなっていました。そこは自分では変えられない部分です。
それでも、装置の装着時間を守る、予約どおりに通う、歯磨きを丁寧にするといった行動で、余計な延長は防げます。
ただし、ここで挙げた年数は、あくまで一般的な目安です。自分の歯並びで何年かかるのかは、検査を受けて治療計画を立ててみないとわかりません。
大森駅前矯正歯科では、無料の初診相談を行っています。3Dシミュレーションで歯がどのように動くかを見ながら、保定まで含めた期間の見通しをご説明します。装置料や調整料といった費用の内訳、分割払いの方法もあわせてご確認いただけます。
治療を始めるかどうか迷っている段階でもかまいません。大田区・品川区で矯正を検討している方は、まずは無料初診相談へお気軽にお越しください。