開咬とは
開咬とは、奥歯を噛んでも前歯が噛み合わず、隙間が空いてしまう噛み合わせのことです。英語では「オープンバイト」と呼ばれます。
前歯で物を噛み切ることが難しく、前歯の間から舌が見えることもよくあります。
軽度の場合は気づきにくく、歯科健診で指摘されて初めて分かるケースもあります。
症状が進行すると、
- 口が常に半開きになりやすい
- 無理に閉じようとすると顎先に梅干し状のシワが寄る
といった特徴が見られます。
開咬の原因
開咬は 遺伝的な骨格要因と幼少期の癖・生活習慣が主な原因です。
これらの要因が重なることで開咬が発症し、成長とともに悪化することもあります。
骨格的な要因
- 開咬の傾向は遺伝しやすい
- 下あごが縦方向に過度に成長すると開咬になりやすい
幼少期の癖・習慣
特に影響が大きいのが、舌癖と指しゃぶりです。
- 人は1日約2,000回飲み込み動作をしています。
- 舌癖があると、通常の3倍もの力で舌が前歯を押す。
その結果、上下の前歯の間が押し広げられ、開咬になります。
その他の要因
- 口呼吸の習慣 → 舌の位置が下がり、前歯の間に押し出されやすくなる
- 柔らかい食事中心で咀嚼回数が少ない → 顎の筋肉(咬筋)が発達せず、下あごが縦方向に伸びやすくなる
開咬による弊害
開咬を放置すると、噛む機能・発音・口腔環境・全身に影響が出ます。
開咬は見た目以上に機能・健康に影響しやすい噛み合わせです。
噛む機能の低下
- 前歯で物を噛み切れない
- 麺類を舌で切って食べるようになる
- 硬いものが噛めず食事に時間がかかる
- 咀嚼不足による消化不良のリスク増加
口呼吸による影響
- 口が閉じにくく、口呼吸になりやすい
- 口腔内が乾燥 → 虫歯・歯周病・口臭のリスク増大
発音への影響
- 「サ行」「タ行」が発音しづらい
- 舌ったらずな話し方になりやすい
子どもの場合、音読で指摘されトラウマになることも。
歯・顎へのダメージ
- 噛み合わせがずれて奥歯ばかりに負担が集中
- 奥歯の摩耗・破折のリスク増加
- 顎関節症の誘因になることもある
治療方法
開咬の治療では、原因となる癖の改善と矯正治療を組み合わせることが重要です。
開咬は後戻りしやすいため、治療後も舌癖改善を継続することが重要です。
こどもの治療
原因となる癖の改善からスタートします。
- 指しゃぶりの中止指導
- 舌癖改善のための MFT(口腔筋機能療法)
- 舌が前に出ないようにする装置(舌側弓・フェンス)
癖の改善と並行して、成長期に合わせた矯正治療を行います。
大人の治療
ワイヤー矯正 または マウスピース矯正 により前歯を垂直方向に移動。
奥歯が高くて前歯が噛み合わない場合は、矯正用アンカースクリュー を用いて奥歯を圧下(沈める)させ、正常な咬合に誘導。
【重度(骨格性)の場合】
骨格的な問題が大きい場合は、外科的矯正治療(顎変形症手術)を併用します。
治療後のメリット
- 前歯でしっかり噛み切れる
- 口が自然に閉じ、口呼吸の改善
- 発音の明瞭化
- 顎や奥歯への負担が減る
- 見た目の改善による自信の向上