「後戻り」とは
矯正治療を終えて整ったはずの歯並びが、時間の経過とともに再び乱れてしまう現象を「後戻り」といいます。
「閉じたはずの隙間がまた開いてきた」「綺麗だった前歯が少しデコボコしてきた」……。
一度は矯正治療を完了された患者様にとって、こうした変化はとてもショックなことかと思います。「せっかく頑張って治療したのに」と落ち込んでしまったり、「自分の管理が悪かったのか」とご自身を責めてしまったりする方も少なくありません。
しかし、決してあきらめる必要はありません。後戻りには加齢や習癖など、様々な要因が関係しています。
当院では、後戻りしてしまった歯並びを再び整える「再矯正(リカバリー治療)」を行っております。まずは原因をしっかりと見極め、現在の状態に合った最適な解決策を一緒に考えていきましょう。
矯正治療後に「後戻り」が起きてしまう原因
なぜ、一度きれいに並んだ歯が動いてしまうのでしょうか。主な原因として、以下の要因が挙げられます。これらが複合的に絡み合っているケースも少なくありません。
保定装置(リテーナー)の
使用不足
最も多い原因です。矯正終了直後の歯は、まだ骨の中で安定しておらず、動きやすい状態にあります。歯槽骨(歯を支える骨)が安定するまでの数年間、リテーナーを正しく使用しないと、歯は元の位置に戻ろうとして動いてしまいます。
口腔習癖
(舌癖・頬杖・歯ぎしりなど)
舌で前歯を押す癖、頬杖、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりなどは、歯に持続的な力をかけ続けます。これらが残っていると、矯正後であっても歯が動く原因となります。
加齢による変化
年齢とともに顎の骨や周囲の筋肉、歯ぐきの状態は変化します。矯正治療の有無にかかわらず、人間の歯並びや噛み合わせは生涯を通じて少しずつ変化していくものです。
歯周病などのトラブル
歯周病によって歯を支える骨(歯槽骨)が弱くなると、歯の土台が不安定になり、歯並びが崩れやすくなります。
その他の要因
親知らずが生えてくる力で前の歯が押されたり、治療後の定期検診を受けずに小さなズレを放置してしまったりすることも一因となります。
再治療(再矯正)ができるケース・できないケース
多くの「後戻り」は再治療によって改善が可能ですが、お口の健康状態によっては慎重な判断が必要です。当院では安全性を最優先し、再治療の可否を診断します。
再治療が難しいケース
歯根吸収が進んでいる場合
過去の矯正治療や強い力によって歯の根っこ(歯根)が極端に短くなっている場合、これ以上歯を動かすと歯の寿命を縮めたり、抜け落ちたりするリスクがあります。
重度の歯周病の場合
歯を支える骨が大きく溶けてしまっている場合は、矯正よりも歯周病治療が優先されます。無理に動かすと状態が悪化するため、再矯正をおすすめしないことがあります。
上記の大きな問題がなければ、例え後戻りの程度が大きくても、再矯正で理想的な歯並びを取り戻せる可能性は十分にあります。
後戻りの程度に合わせた治療方法
再矯正では、必ずしも前回と同じ矯正治療が必要とは限りません。後戻りの程度(軽度・中度・重度)に合わせて、患者様の負担が少ない方法をご提案します。
| 症状の程度 | 状態と治療法の目安 |
|---|---|
| 軽度 |
【部分的なズレ・わずかな隙間】 一部の前歯が少しズレた程度であれば、リテーナーを作り直して調整したり、 数ヶ月間だけ部分的なワイヤー矯正やマウスピースを使用したりすることで改善が可能です。 期間も短く、負担は最小限で済みます。 |
| 中程度 |
【前歯の乱れ・奥歯の軽度なズレ】 範囲がやや広い場合は、全体的なバランスを見る必要があります。 片顎のみ、あるいは両顎に装置(ワイヤーまたはマウスピース)を装着し、再度噛み合わせを整えます。 初回の矯正よりも短い期間で完了することが多いです。 |
| 重度 |
【全体的な歯列の崩れ・噛み合わせの不調】 全体的に大きく後戻りしている場合は、初回と同様の本格的な矯正治療が必要となります。 ワイヤーやマウスピースを用いて全体を動かし、場合によっては抜歯を含めた再設計を行います。 当院が責任を持って、最後まで丁寧に治療いたします。 |
再矯正をご検討の方へ
当院では、単に歯を並べ直すだけでなく、「なぜ後戻りしたのか」という原因への対策も含めて治療計画を立案します。そうすることで、再治療後の美しい歯並びと笑顔を、今度こそ長く維持できるようサポートいたします。
一人で悩まず、まずは当院のカウンセリングにてお悩みをお聞かせください。